スタッフ日誌
木が反る、と書いて「板(いた)」
2022-06-17
こんにちは、ベルキッチンの工場長です。
6月に入り瑞浪も梅雨の真っただ中でムシムシした日々が続いています。
この時期は木材を扱っている会社は毎年嫌な季節となります。
それは「木が反る、と書いて板(いた)」と読みますが、工場内に保管している木材(板)が湿度によって反ったり、寸法変化を起こすからです。
木材の特性の一つに「調湿作用」があり、木は呼吸をしています。呼吸と言っても人間のように息をしているわけではないですが、木材は湿度が高くなれば水分を吸収し、乾燥してくると水分を吐き出しバランスを保とうとします。その時に寸法変化が起こります。
昔から日本の家が日本人にとって住みやすく感じるのは、日本の国土の約7割を占める森林と共存し、四季や各地域に則した家づくり、日本の環境・木の特性を知ったノウハウが日本人にはあるからだと思います。
弊社で使用している木材(パイン材・オーク材など)も必ず動くという前提で様々な工夫を施していますが、
その一つのテーブル天板の反り止めについて紹介します。
テーブルの裏面ですが、写真①のような木製の反り止め軽減材をテーブル天板の厚みよりも厚い木材を使用し天板の木目に対して垂直になるように取り付けています。これで天板の反りを軽減することが出来ます。 また写真②のように反り止め軽減材をテーブル天板に固定するビス穴にも長穴の加工をすることで反り止め軽減材が動いても長穴で吸収できるような工夫をしています。
木材を無理矢理ビスで固定してしまうと、木材が湿度によって寸法変化したときに逃げ場が無くなり割れの原因となります。
テーブル一つでもこのような工夫をしています。他にも弊社では色々な工夫をして再生可能な木材資源との共存を目指してしています。
是非、皆さんの家庭のテーブルの裏を覗いてみてください。各社の工夫が見られて面白いと思いますよ。
でも木の成長には梅雨も必要なのでやはり自然との共存が大切ですね。